観察眼と洞察力が超越する先駆者ポール・エクマンの微表情

嘘をつかれるのが本当に無理!!
嘘をつかれて心底悔しい思いをしたことがある
真実だけを知れるようになりたい
騙されない人間になりたい
嘘をつかれていることになかなか気づくことができない

微表情は、そういった方々を手助けする科学のひとつと言えるかもしれない。43種類の筋肉が作り出す10000通りの表情を追求する微表情分析学

日本では微表情分析ができる人を特殊能力扱いしているが、実際は10年以上も前から存在する科学で、欧米の有名なメンタリストマジシャンは習得されている方も多いと聞く。

日本はアメリカの10年遅れなどとよく言われ、そういった表現を今使っているということは、これから日本でクローズアップされていく可能性のもっとも高い科学になるのかもしれない。

微表情とは

微表情とは、本人の自覚のない潜在意識下で生じている真の感情が、瞬間的かつ反射的に視覚下に表面化される極めて真実に近い感情を裏付けると認識されている科学である。抑制された「真の感情」がフラッシュのように一瞬で顔に表れて消え去る表情のことを言い、その多くは0.2秒以内に出て消え、通常の会話では80~90%が見落とされていると言われている。

どれだけ巧妙に嘘をついても人の表情には真実が一瞬だけ現れる。そして、それらを意識的に制御することは普通の人間には不可能なものなのだ。

人の表情は「怒り」「幸福」「嫌悪」「驚き」「軽蔑」「悲しみ」「恐怖」の7つに大別され、それぞれの表情に特徴があることから、そのときの状況やタイミングと掛け合わせて真意を読み取っていく。

専門的な表現はいくつかあるが、英語では Micro Expressionsマイクロ・エクスプレッション)と言われ、これらを総称して日本語では「微表情」と呼んでいる。

微表情は多少の知識が入るだけでも普通の人には見えないものが見える(観察眼や洞察力が超越する)ようになり、なんとなく感じた違和感が根拠のある確信に変わり、他人の思考や行動が事前にわかるようになるという、それが現実的に可能になる途轍もなく恐ろしい科学である。

微表情に関する情報は先駆者のポール・エクマン氏から

微表情は欧米ではすでに周知されているが、日本ではまだまだ認知されていない。日本でも一部の科学者や専門家がその効果と将来性に確信を得て微表情の追及をしているが、アメリカのように実際の現場でその技術や能力が採用されるのは日本ではもうしばらく先になりそうだ。

日本人の中にも大学の教授や科学者がこの分野の書籍や論文を公表しているが、結局この分野の大元の出どころはポール・エクマンである。情報というのは間に人が入れば入るほど書き換えられたり解釈が変わったりする場合が出てくる。本家から情報が取れるならそれに越したことはないだろう。

日本の大学教授や科学者を信用していないわけではないが、先駆者の情報が100%であることはアメリカがすでに証明している。

微表情は科学の中でもかなり複雑で精細なカテゴリーである。正確な知識を得たいという方、間違った知識を入れたくないという方はエクマン氏以外からは情報を取らないほうがいいかもしれない。また、エクマン氏の研究チームにガチで在籍経験のある日本人は、以下に紹介する書籍の翻訳を担当された表情分析アナリストの工藤力(くどうつとむ)先生たった一人だけである。

ポール・エクマン本人が執筆した著書で、日本語に翻訳されている代表的な書籍が以下の3冊だ( 全4冊 )。

微表情分析の入門書・ボディランゲージ・嘘と感情の関係が学べる著書/著者: ポール・エクマン

表情分析入門 ‐ 表情に隠された意味をさぐる
著者: ポール・エクマン / 翻訳: 工藤 力
暴かれる嘘 – 虚偽を見破る対人学
著者: ポール・エクマン / 翻訳: 工藤 力
顔は口ほどに嘘をつく
著者: ポール・エクマン / 翻訳: 菅 靖彦

書籍の簡単な紹介

表情分析入門 ‐ 表情に隠された意味をさぐる(著者: ポール・エクマン)

微表情の中で大別される「怒り」「幸福」「嫌悪」「驚き」「軽蔑」「悲しみ」「恐怖」の7つの表情において、それぞれの特徴と見分け方について詳しく解説されている入門書がこれである。

タイトルどおり微表情の基礎を学ぶことができる専門書で、顔写真を用いて解説されているので非常にわかりやすいのが特徴だ。

暴かれる嘘 – 虚偽を見破る対人学(著者: ポール・エクマン)

嘘と感情の関係について克明に書かれている。表情・言葉・声・動作など、人が嘘をつくときはどこにどのような形でその特徴が出るかなど、人が無意識に嘘をつくときに見せてしまう説明が科学的に解説されている。

この本には表情やボディランゲージの話も出てくるので、「表情分析入門 ‐ 表情に隠された意味をさぐる」を先に読み込んでから読まれたほうが理解が深まるはずだ。

相手の嘘によって詐欺や被害にあうことが、大幅に軽減されることを助ける一冊になるかもしれない。

顔は口ほどに嘘をつく(著者: ポール・エクマン)

冒頭で歴史に触れ、主に人の感情について書かれた本がこれだ。

人が外的な要因によって受ける感情の本質的な部分が書かれている。

上の2冊と合わせて読みたい一冊だ。

この3冊はできればセットで揃えたほうがいいかもしれない。3冊の合計が912ページで一冊当たりの平均ページ数は304ページと分厚めだが、著者が海外の書籍はそんなもんである。

当ブログの筆者もこれらの書籍を何度も読み返し、以下に紹介するドラマを何度も視聴してきたことで真新しい知識を手に入れることができた。

これは余談になるが、3冊すべて読み込んで感じたのが、たかだか8000円程度のお金でこれほどの知識をもらっていいのかと、自分の中で需要と供給のバランスが崩壊したほどだ。本当にいい買い物だったと今でも思っている。

知識が入ったことで今まで見えなかった世界が見えるようになり、周囲からは当人がわかるはずがないと思っていることや隠していることが見えるようになり、本人すらも気づいていないことを論破して周囲から共感を得たり、言葉の使い方や表現、体に出るしぐさからその人の心の中にあるものが誰もが納得せざるを得ない理由をつけて説明ができるほどになった。

女性には「怖い」と言われることもあるが、こういった知識は本来他人の前でばら撒くものでもなければ自慢に使うものでもない。確かに不思議がられることもあるが、なぜわかるのかという部分を説明すればほとんどの人は納得し興味を示してくる。

言葉にしないことや隠していることがなぜわかるのかという事実を不思議に思っているのだろうが、それは私たちが言葉がすでに整っている時代に生まれ、言葉が無い世界を知らないからなのかもしれない。

言葉はコミュニケーションにおいて大変便利なものだ。しかし、言葉のない時代が存在したこともこれまた事実である。言葉がなかった時代に人はボディランゲージジェスチャーでコミュニケーションをとってきた。所詮、言葉はコミュニケーションを円滑にするツールのひとつにすぎない嘘がつけるのも言葉だけである。

体や表情に反射的に伝達される神経、それによって動かされる筋肉まで制御できる機能は人間には備わっていない。エクマン氏曰く、訓練すれば誤魔化すことも物理的には可能とのことだが、表情や体に潜在意識下であらわれる反応は言葉よりもはるかに信憑性があり、その反応は極めて真実に近い反応と解釈されるのがノンバーバルコミュニケーションの極致である。

アメリカでは、ポリグラフ(嘘発見器)を超えるほどの将来性が期待されており、すでにエクマン氏の直々のお弟子さんであるデイビッド・マツモト博士がCIA、FBI、インターポールなどから捜査協力を依頼され、空港のセキュリティスタッフに微表情の指導をしている。

アメリカの主要の空港ではすでに微表情の導入が義務化されているので、アメリカに旅行される機会があればぜひ空港のセキュリティスタッフを観察してみてほしい。警察官以上に鋭い眼光をしたスタッフもいるはずだ。

ノンバーバルコミュニケーション( 微表情/ボディランゲージ )がドラマで学べる

微表情の先駆者であるエクマン氏がモデルになった海外ドラマが今から7年前の2009年に初めてアメリカで公開され、日本でも2010年の4月にFOXチャンネルが「ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る」のタイトルで放送を開始した。

そこそこ大きいレンタルビデオ店のシリーズコーナーに行けば、「ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間」というタイトル(赤色のパッケージ)でほとんど見つかるだろう。

FOX が YouTube に予告動画(2分6秒)を公開しているので、興味があれば以下の予告動画だけでもご覧になってみてほしい。

 

主演のティム・ロスカル・ライトマンという名前でエクマン氏を演じている。結構面白くて、微表情が読めるようになるとどういう利益があるのかがよくわかるだろう。

このドラマの良いところは、微表情がどういうものなのかというところが要所要所でクローズアップされ、その都度わかりやすく解説が入っていることだ。予告動画ではあまり出てきていないが、本編ではシーズン1が13話、シーズン2が22話、シーズン3が13話で計48話で構成されている。

Lie to me – 嘘の瞬間 シーズン1 Lie to me – 嘘の瞬間 シーズン2 Lie to me – 嘘の瞬間 シーズン3
 第1話「嘘を見抜く男」  第1話「素顔の告白」  第1話「制裁」
 第2話「小隊の秘密」  第2話「運命の歯車」  第2話「パラサイト・マザー」
 第3話「優等生の悲劇」  第3話「命の値段」  第3話「相棒」
 第4話「結婚の真実」  第4話「侵入者」  第4話「ダブル・ブラインド」
 第5話「憎しみの傷跡」  第5話「過去の亡霊」  第5話「炭鉱のカナリア」
 第6話「善意の罪びと」  第6話「重要証人」  第6話「堕ちたカリスマ」
 第7話「欲望と大義」  第7話「ブラック・フライデー」  第7話「ベロニカの世界」
 第8話「絶望の連鎖」  第8話「戦場のクリスマス」  第8話「ソウル・ファミリー」
 第9話「虚構の崩壊」  第9話「ゲームの達人」  第9話「封印された記憶」
 第10話「人生の伴侶」  第10話「爆弾犯」  第10話「理想の夫」
 第11話「潜入捜査」  第11話「悪魔の微笑」  第11話「救命士」
 第12話「模倣犯」  第12話「告白」  第12話「誘拐」
 第13話「真実の代償」  第13話「毒婦の仮面」  第13話「殺意のネットワーク」
 第14話「英雄の正体」
 第15話「歪んだ正義」
 第16話「姉妹」
 第17話「苦い勝利」
 第18話「ファイトクラブ」
 第19話「ハーメルンの笛吹き」
 第20話「暴露」
 第21話「父と娘」
 第22話「不都合な真実」

このドラマが支持される理由は3つある。

・ ポール・エクマンがモデルになっていること
・ 表情は国境を越えて、全人類に共通すること
・ ドラマの世界で終わらず、再現性があること

ドラマなので当然フィクションなのだが、内容そのものは事実として存在しその効果もすでに証明されている。ドラマそのものは「面白かった」で終わるかもしれないが、アメリカではこのドラマのようなことが毎日のように行われており、ドラマの中で出てくる知識やスキルは誰にでも再現性のあるものである。誰にでも当てはまるというところがこのドラマの面白さを後押ししているのかもしれない。

シーズン1からシーズン3までの全48話すべてを観ての感想だが、ドラマの中で微表情が出てくるというよりは微表情を解説するために作られたようなドラマになっている。

微表情だけでなくボディランゲージもたくさん出てくるのだが、質問の振り方やボロを出させるためのトラップのかけ方も上手く、何回観ても面白くて勉強になる。

実生活や仕事、プライベートや対人関係においても使える知識が非常にわかりやすく解説されているのでドラマの世界だけで終わらないという点でもメリットがあるのではないだろうか。

 

表情分析入門 ‐ 表情に隠された意味をさぐる
著者: ポール・エクマン / 翻訳: 工藤 力
暴かれる嘘 – 虚偽を見破る対人学
著者: ポール・エクマン / 翻訳: 工藤 力
顔は口ほどに嘘をつく
著者: ポール・エクマン / 翻訳: 菅 靖彦
Lie to me – 嘘の瞬間 シーズン1 Lie to me – 嘘の瞬間 シーズン2 Lie to me – 嘘の瞬間 シーズン3

微表情分析によって得られる効果

・ 商談や交渉で相手の隠された感情から話の軸や方向性を調整できる
・ 採用や人事の面接場面で適切な人材を見出すことができる
・ 組織やチームマネジメントで良好な人間関係を構築できる
・ 「言葉に出てこない相手の感情」をくみ取ることができる
・ 夫婦や恋人とのトラブルの際に、いち早くその危険信号を捉えることができる
・ 親に打ち明けられない子供の悩みや「いじめ」を外から見つけることができる

かなりの訓練と経験が必要になる分野だが、0.2秒以内の一瞬の表情やその変化にある程度気づけるようになる頃には、他の人とは比較の対象にならないくらいの集中力観察眼が鍛えられているはずだ。上に並べたようなことぐらいは誰の助けも借りずに、ひとりで解決できるようになっているかもしれない。

こういった知識が入ることによって本当に楽しくなってくるのは、インプットした知識を実践で使ったときに、相手がそのとおりに動いたり反応したときだ。私も含めてその経験がある方なら、言葉では言い表せない、何とも言えない高揚感に最初は襲われる。(慣れてしまえば、なんてことない…)

仕事はうまくいき、好意をもつ人と実際に付き合えたり、悩みや苦しみをわかってくれる、その人の中で自分の存在が最大化することで、他の人とは違う特別な人と思われるようになって、いろんなことで頼られるようになったり…

極端に言えば、本当に見ず知らずの会ったことも喋ったこともない人でも数分時間をもらうだけで、どうな人でどういう関わり方すればどういう結果になるのかが、大よそわかるようになってしまう。

・ 髪型、髪の長さ、髪の色は?
・ どんなアクセサリーを、どの場所に、どの程度つけているか?
・ 服装は暖色系か、寒色系か?
・ 視線は落ち着いているか、よく動くか?
・ 手元や足元はどうしているか?
・ バッグは大きいか、小さいか?
・ 話すスピードは一定か、波があるか?
・ カラダはよく動くか、ほとんど動かないか?
・ ブランド思考か、そうでないか?
・ 自分の話をしたいタイプか、人の話を聞きたいタイプか?
・ スーツは綺麗に伸びているか、シワが入っているか?
・ ネクタイはする派か、しない派か?
・ こちらの質問に回答と合わせて質問を返してくるか、短い言葉で答えて終わるのか?

そういう聞かなくても外見や何気ない会話の中から取れる情報で、性格や考え方、思考、そのときの精神状態などが大よそ読み取れるようになる。自分がどういう立ち位置でどういう接し方をすれば、相手がどういう印象を自分に持ち、どういう結果を望んでいて、どういう行動を取ろうとするかが本当にわかってしまうようになるのだ。

正確な情報を求められる方は先駆者であるポール・エクマン氏から情報を取ることをおすすめする。

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