相手を食事に誘うとき、あなたはどんな声のかけ方をしているだろう。
恐らく大半の人がなんの躊躇もせず、自分の頭の中をそのまま言葉にしているのではないだろうか。
OKをもらえているならいいのだが、もし断られることのほうが多いのであれば、それは断られる可能性をあなた自身が大きくしているかもしれない。
今回はアメリカの心理学者であるミルトン・エリクソンが、催眠療法のために拡大させた「NOを封じるダブルバインド」というテクニックを紹介しよう。
非常にシンプルで、相手を誘ったときにOKをもらえる確率がグンと上がる方法だ。
使う使わないは別として、男女関係なく大人から子供にも使える方法なので、頭の片隅にでもしまっておいてはいかがだろう。
頭の中をそのまま言葉にしない
なぁ、週末ご飯行かへん?
相手を食事に誘うとき、こんな声のかけ方をしていないだろうか。
付き合いが古く、同性の場合はこれでもOKをしてもらえるケースが多いが、相手が異性ならそう簡単にはOKをもらえないこともあるだろう。
人にはもともと、お願いごとや頼みごとをされると断りたくなる性質が備わっている。
自分の頭の中をそのまま口にしていると、断られることが増えるばかりか、それが習慣化されてしまうと「YES」をもらえなくなる場合が出てくるので注意が必要だ。
選択肢を与えすぎない
「なぁ、週末ご飯行かへん?」は、相手に答えの選択肢を3つも与えることになる。
- 行く
- 考えとく
- 行かへん
どれでも返せるのがわかるだろうか。
「考えとく」は、体(てい)のいい「NO」なので、これでは「NO」と言われやすい。
相手の選択肢から「NO」を消してしまう方法、それがエリクソンのいう「YES」の中から選ばせる方法だ。
ダブルバインド
相手とすでに食事に行ける仲であることを前提とした場合、
週末ご飯行かへん?
ではなく、
週末、誘いたい店があるから空けといて
もしくは、
梅田にめっちゃオシャレなイタリアンと、ごっつおもろいインド料理屋ができてんけど、イタリアンにする?それともインドにする?
「行く」ということを前提とする質問にすれば「行く?行かない?」という質問に対する回答は除外され、「いつ行くか?どこに行くか?」になる。
「NO」を選べない質問、すなわち選択肢から「NO」を排除することで、こちらの希望をとおりやくするというのがエリクソンのいうダブルバインドだ。
ところが、いきなりこれを単独で使うと相手は「え?」と言って黙るか、「今は返事できない」というかもしれない。
なので、別の会話の中で相手が首を縦にふる(確実に同意を示す)質問をいくつか投げた後で使うと効果的に作用する。
では、例を挙げてみよう。
そういえば、この前お酒好き言うてたっけ?
うん、言うてた ( 同意 )
確か、ビールよりもカクテルが好き言うてたよね?
そう、カクテルが一番好き ( 同意 )
あえて、カウンターで飲む、あの雰囲気が好きなんやんな?
うん ( 同意 )
確かにカウンターやったら、ビールよりもカクテルのイメージがあるかな
うんうん、やっぱそう思うやんな ( 同意 )
もし、カウンターでカクテルを飲みながら夜景が180度見渡せてるバーがあったら、行ってみたいと思う?
うん、絶対行きたい ( 同意 )
いつ行く?
…、週末なら空いてるかな
「行きたい」と言ってしまった手前、その直後に誘われると断りにくくなるのが人間の心理である。
同意や承諾が続けて重なると、人は「NO」と言いにくくなる性質を利用した方法である。
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