あなたは面識のある特定の人を呼ぶとき、なんと呼んでいるだろうか。
相手を呼ぶときの名称は人によってそれぞれ異なるが、日によってその呼び方が変わることは基本的にない。
親しい間柄でいつの間にか決まっている呼び方は習慣化されたものであるがゆえに、それが崩れたときにはそれなりの理由が隠れているというのが科学的な見解である。
人はある感情に襲われているとき、相手を呼ぶ名称に変化があらわれることが確認されている。
今回紹介する内容は、言葉や態度には映らない無意識の領域で起こる感情の変化を示すサインだ。
ここに気づけるようになれば、相手の感情の変化に気づくのが人一倍早くなるだけでなく、喧嘩や揉め事も未然に防ぐことが可能になるだろう。
固有名詞が代名詞に変わったときは要注意
あなたの周りにいる人の中にも、特定の人をさす呼び方に固有名詞を使っている人が何人かいるはずだ。
※ 固有名詞と代名詞
固有名詞 … その人のみに与えられた名称を表す名詞
代名詞 … 人や場所などを指示するのに使う言葉
第三者に彼氏や彼女の名前(固有名詞)を使う人もいれば、兄弟姉妹のことをそのまま「兄貴」や「妹」の代名詞で使う人もいるが、これは固有名詞で呼ぶのが良くて代名詞で呼ぶのが悪いという話ではない。
間違わないでほしいのは、その人にとっての基準がどうなっているかを把握しておくことだ。
例えば、
A. 自分の彼氏のことを「彼」と呼んでいた女性が、急に「(彼の)名前」で呼ぶようになった。
B. 自分の彼女のことを「(彼女の)名前」で呼んでいた友人が、あるときを境に「俺の女」あるいは「あいつ」と呼ぶようになった。
という場合。※ Aは「彼(代名詞)」が基準、Bは「彼女の名前(固有名詞)」が基準である。
付き合っている当人どうしにおいても仲の良いときには互いを名前で呼んでいるのに、揉め事が起こっているときは「お前」や「あんた」などの言葉に代わっていることがある。
固有名詞が代名詞に代わる場合の例
固有名詞:
女: カズヤって、優しいよね。
男: うん、よく言われる…
女: バカじゃないの(笑)
代名詞:
女: あんた、昨日どこおったん?
男: なにがや、家おったっちゅーねん!
女: 嘘つきなや!ミカ(彼女の友人)があんたが女と歩いてたん見とんねん!
男: …、人違いやろ(汗)スポンサーリンク
固有名詞で呼んでいた相手を代名詞で呼ぶようになる、これは普段(基準)よりも距離が開いている(関係が悪くなっている)ときや距離をおきたい(相手を受け入れたくない)と思っているときに出るようになる。
名前を具体化して言葉にすると、その人のイメージが記憶と関連付けられることでより強く描写されるようになり、嫌な記憶や相手の顔が頭に浮かびやすくなるため、「話したくない」「顔も見たくない」「ムカつく」といった「今は距離をおきたい」「相手を遠ざけたい」という感情が、固有名詞よりも個人を特定しない距離をイメージさせる代名詞を使うようになるのだ。
なので、彼氏のことを名前(固有名詞)で呼んでいた女性があるとき「あいつ」や「あの人」などの代名詞で呼ぶようになっていれば、それは関係が悪くなっているか喧嘩中か、もしくはそれに近い感情下にいると思ってほぼ間違いない。
特に結婚して時間が経っている夫婦間においては顕著にあらわれる。近所の奥さんが自分の旦那のことを「夫」や「旦那」と呼んでいたのに、あるとき急に「あの人」という言葉を使いだしたら、それは旦那に対して納得できない一面を抱えているかもしれない。
「夫」や「旦那」も代名詞のひとつではあるが、「あの人」という言葉は基本的に遠い他人をさすときに使う。それを身内に対して使うということは、相手に対して「距離をおきたい」もしくは何らかの理由で「距離が離れている」という感情が言葉にあらわれている時と認識しておくのがいいだろう。
さっきまで笑顔で話していた人が、聞かれたくないことや思い出したくない話題に触れられた瞬間、急に口調が変わるというのは珍しいことではない。
人の口から出てくる言葉は、対象となるものに対して抱く感情と深くつながっているのだ。
声のトーンが急に下がったり、嫌悪や恥の表情が見えたらほぼ確定である。
終わりに
人は相手に対して不快感や嫌悪感を抱くと、そこから受けるストレスを避けようとして自然と距離をとろうとする。
体にあらわれるケースもあれば、今回のように目には映らない相手が無意識に使う言葉にそれを裏付ける答えが隠れていることもある。
今回のケースはすでに科学で確認されている事例だ。
習慣化されていることに変化が起きたときは、相手の中で何かしらの感情の変化が起きている可能性が高くなるので、「あれ?いつもと違うぞ」と思ったときは下手に飛び込まず、リーディングにつなげていくことであなたにだけは心を開いてくれるようになるだろう。
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